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とりあえず目指せ100記事 雑記ブログです

「寒い」ことには理由があります。

こんにちは

建築家のなおです。

今日は僕の実家が寒すぎる件について、「なぜ昔のお家は寒いのか?」をお話しします。皆さんのおうちにも当てはまることがあるかもしれません。これから新築やリフォームをご検討の方は自分のお家は大丈夫かなとみていただくと良いと思います。

 

①「窓の性能が低い」からです

昔の家はとにかく窓の性能が低いです。日本の住宅の約6割が「アルミサッシ」と言われる窓です。アルミは基本的にすごく熱を通しやすいので、よく結露しているのを見た事があるのではないですか?結露自体は悪くありませんが、その弊害として、放置するとカビが発生し健康被害に広がってします事が良くありません。

面倒ですが、こまめに拭き取りカビが生えないようにすると良いです。お子様がいる家庭はより気をつけましょう。

僕の実家も結露がひどいです。結露を放置した結果・・・カーテンがカビだらけになっています。今のアパートはアルミ樹脂複合サッシです。こちらはアルミより性能が高いですが、結露します。実際に毎朝結露しているので、最低でも樹脂サッシをお勧めします。

②「断熱性能が低い」からです。

昔の家はとにかく断熱性能が低いです。日本の基準は約10年おきに更新されています。2020年に省エネ法の義務基準が制定される予定でいましたが、流れました。

こちらは日本の最低限の基準値になりうる基準ですが、今は別に守らなくても何もありません。昔はもちろん、年代によっても基準はバラバラです。約20年から30年前でグラスウール が施工されている。40年から50年になるとほぼ無断熱で何も入っていないケースがほとんどです。そんな状態では寒いに決まっています。

断熱の基本は、断熱材(熱を断つ材料)で家をぐるっと囲むことにあります。施工の仕方はいろいろありますが、今回は省略します。例えるなら、魔法瓶です!熱いお湯を入れても冷めにくく、冷たい水を入れても温まりにくいあの効果が断熱性能が高いものになります。

まずはしっかりと断熱材を入れることが必要です。

③「床材の塗装がウレタン塗装」だからです。

床材には、大きく分けて2つあります。「無垢フローリング」と「合板フローリング」です。丸々本物の木でできているのが無垢フローリング。合板などを貼り合わせて表面だけシートや突き板などの木を使用したものが合板フローリングです。

こちらのフローリングの表面に塗っていくのが塗装です。ウレタン塗装は、フローリングの表面に膜を作るので、踏み心地がヒヤッとします。冷たい代わりに表面に膜を作るので水に強かったりもします。一方でお勧めは、木に浸透される植物性のオイル塗装です。木本来の温もりを味わう事ができ、小さな子供が舐めても安心の塗装です。

 

④「間取り・方位・大きさが適当でない」からです。

こちらは、住宅のあり方が今と昔では少し違ったように思います。昔は建前があり、一大イベントの家づくり。そこは今も変わりませんが、権威や自慢などの大きく作る事がステータスになっている、そんな時代背景があるように思います。

よく実家に帰ると、和室が2間続きで上座・下座があり、尚且つ南面にあるようなお家ないですか?まさに実家がそうなんですが、年に数回しか使わない部屋が、一番日当たりの良い場所に配置してあります。逆に家族が過ごすLDKは日の当たらない北側など。そんな作り方のお家が多いです。部屋と部屋を廊下でつなぐのが基本なので、基本は各部屋を暖房する。

あとは無駄に大きなお家とか。方位も関係なしに考えるような作りがいいわけがありません。

⑤「隙間が多い」からです。

今でさえ、住宅業界でこの隙間の話は一般化してきていると思います。こちらはC値(隙間相当面積)といい、建物の成績表みたいなものです。昔はそんな概念はなく、今とは工法も違うので、隙間風がビュービュー入ってきていました。この隙間もより少ないほうがいいです。

先ほどの断熱の話と一緒に考えてもらうと良いと思います。魔法瓶がいくら性能が良くても蓋が開いていたら、せっかく温かいお湯が覚めてしまいますよね。住宅もその原理と同じです。断熱材でしっかりと囲い、隙間をなくす。

これからの住宅の基本になります。今では当たり前のようにC値が幾つです。と謳っている会社が多くあります。逆に謳っていない会社はC値に対して出遅れていることになります。心配な方は、先方に「気密測定ってやってますか?」とお尋ねするその答えがわかると思います。

住宅の根本から直す必要のある①と②と⑤は、大規模なリフォーム工事を行うことで改善ができます。③は仕様で変更できます。DIYでも可能です。④は設計でなんとか出来ます。やるとすれば①などと一緒に大規模リフォームすることで直す事ができると思います。

寒い原因は、家づくりの根本から見直さないと解決するのは難しいです。

僕の実家はこちらを全て網羅しているので、もれなく寒いです。

 

じゃまたね!